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数字で見る難民情勢 (2009年)

   © UNHCR/ P.WIGGERS

数字で見る難民情勢 (2009年)

(以下の数値は2010年6月にUNHCR本部において発表されたGlobal Trends 2009の統計に基づき、予告なしに変更する場合があります。最終的な数値はGlobal TrendsのTable 1をご参照ください。)

■概要

2009年、世界でおよそ4330万もの人が強制移動を余儀なくされ、1990年代半ば以来、最も多くの人が、紛争や迫害によって家を追われた。また自主的に祖国へ帰還した難民はここ20年で最も低い水準にとどまった。

世界の難民の総数に大きな変動は見られず、1520万人のうち、UNHCRがその三分の二を、その三分の一を国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が保護を担う。絶えない紛争の狭間で、UNHCRが支援する難民の半分以上の問題も長期化する傾向にある。

また自国内で、紛争を逃れる国内避難民は4%増え、2710万人となった。コンゴ民主共和国、パキスタン、ソマリア、それぞれ国内での争いが長引く中、国内避難民の数は増加傾向にある。

難民の多くは先進諸国に殺到しているという一般論に反して、より多くの難民は開発途上国の都市部に集中する傾向にある事実を裏付けている。100万人近くが庇護先で新たな難民申請を行い、南アフリカは22万2千人の新規の庇護申請があり、世界で最も多く庇護申請を受けた。

TABLE1【世界における強制移動 2008年-2009年】

■グローバル・トレンド(統計から読み解く難民・避難民問題の世界的傾向)

 

2009年末時点で、UNHCRの支援対象者数は3650万人に上った。この報告書では難民、庇護申請者、国内避難民などの分類ごとに世界的傾向を分析した。2009年には1040万人の難民、1560万人の国内避難民がUNHCRの支援を受けていた。1997年から2009年の推移を見ると、難民と国内避難民の支援対象者が逆転していることがうかがえる。                        

                         Fig1【難民・国内避難民におけるUNHCRの支援対象者数の変遷】

帰還に関しては、国内避難民は220万人、ここ10年で最大数が戻ることができたが、難民の自主的な帰還にいたっては、25万1千人にとどまり、1990年以来、最低の記録となる。

2009末までに98万3千人の庇護申請者の結論が出されていなかった。

無国籍者は60か国で660万人、しかし推計では1200万人いるとされている。

以上の分類にあてはまらないが、人道上の見地からUNHCRの支援を受けた「その他」の人々が、41万1千人いる。

Table2-2 【難民・国内避難民・庇護申請者・無国籍者などUNHCRの支援対象者数】

 

■難民

1951年の「難民の地位に関する条約」(難民条約)、1967年の「難民の地位に関する議定書」(議定書)、1969年の「アフリカにおける難民問題の特殊な側面を規律する条約」(OAU難民条約)、またUNHCRの定めるところにより難民として認められた人、補完的保護を受けている人、暫定的な保護を受けている人、さらに難民と同様の状態におかれた人を含む。

コラム@ 長期化する難民問題
UNHCRは、同じ国籍を持つ2万5千人以上の難民が母国を追われ庇護国にて5年以上の避難生活を送る状態を、長期化する難民問題の定義としている。この定義によると、2009年末時点でおよそ550万人の難民が21の受け入れ国において長期化した避難生活を強いられ、その数は世界中で25件に及んだ。
コラムA 多くの難民が出身国周辺にとどまっている
統計によると、ほとんどの難民が近隣諸国などの出身国周辺にとどまり、避難生活を強いられていることが明らかになる。難民が発生している主要な地域内の国々が受け入れている難民の平均76〜91パーセントが、同じ地域内の出身者である。難民は先進国に集中していると憶測されがちだが、UNHCRが支援をする難民1040万人のうち、わずか17パーセント、およそ170万人の難民が出身国から離れた地域に逃れている。

Fig9【難民キャンプと都市部にいる難民の割合】

 

■恒久的解決

世界中で何百万もの人が、母国への帰還の望みがほとんどないまま避難生活を強いられている。継続する紛争のため、また多くの人は母国で受けうる迫害への恐怖のため帰国することができない。自主的帰還が実現可能でない場合は、庇護国の地域社会へ定住することが難民にとって新たな人生を始める機会となり、恒久的解決策として考えられる。第三国定住もそうした解決策の一つである。

帰還民(帰還した難民)
自主的に出身国や住んでいた場所に帰還した人。この報告書には2009年1月から12月中に帰還した人のみを記録しているが、実質上、事業によっては帰還民支援は継続することもある。

帰還民(帰還した国内避難民)
国内避難民として、UNHCRによる保護・支援対象者であったが、その出身地、あるいは住んでいた場所に2009年1月から12月に帰還した人。事業によっては、帰還した国内避難民への支援が継続することもある。

Fig5【第三国定住者と帰還民の割合 2002年-2009年】  Fig6【帰還民 1990年-2009年】  

 

第三国定住                       Fig7【UNHCRの支援により出国した第三国定住者数】

ここ3年間は、UNHCRは第三国定住の受入れ可能枠(80,000人分)以上の申請を実施している。ここで生じるギャップに関してUNHCRの努力目標として(i) より多くの国々に第三国定住プログラムを
実施するようあるいはUNHCRの要請を受入れるように促す; (ii) 既存の受入れ国には、UNHCRが要請する案件の受入れ枠を増やすよう要請する; (iii) 受入れ枠が限定的である以上、第三国定住のニーズを優先させ、要請をスピードアップさせることに取り組んでいる。

2009年には合計112,400人が19カ国で受入れられた。その上位6カ国は、アメリカ(79,900)、カナダ(12,500)、オーストラリア(11,100)、ドイツ (2,100)、スェーデン(1,900)、ノルウェー (1,400)でした。2008年の合計、88,800人より25%多く、1995年から最大である(134,100)。      

2009年、UNHCRは128,000人分以上の要請を実施し、ここ16年で最大規模で、2008年より8%多い(121,000)。エチオピア、マレーシア、ネパールやタイなどからグループとして、さらに中東各地に逃れているイラク難民などを効率的に第三国定住へ促す努力が効を奏した。

2009年、84,000人がUNHCRの支援を受けて第三国定住へ旅立った。18,000人の増加となる。1990年代以来、最大規模となる。その出身国上位6カ国は、ミャンマー(24,800)、イラク (23,000)、ブータン (17,500)、ソマリア(5,500)、エリトリア (2,500)、コンゴ民主共和国 (2,500)である。

2009年、UNHCRの世界各国の拠点のうち、94カ国で第三国定住に関わった。最大数は、ネパールから(17,500)、タイ (16,800)、シリア(10,400)、マレーシア(7,500)、トルコ(6,000)である。この国々から第三国定住として出発した人数は10人中、7.5人に相当する。

■庇護申請者

国際保護を求めるが、その難民としての立場が認定されていない人。この報告書では、2009年末で、その結論が出ていない庇護申請者を指し、その申請時期を限定するものではない。

Table3【庇護申請と異議申立ての数】

Fig2【新たな庇護申請者の主な目的地 2008年-2009年】

Map3【庇護申請者数の主な出身国】

コラムB 保護者のいない、もしくは保護者と離別した子ども(UASC )の庇護申請

2009年、71か国で1万8,700人以上の保護者のいない、もしくは保護者と離別した子どもが庇護を申請しており、これらの国の庇護申請者数全体の約4%を占めている。2008年の調査では1万6,600人のUASCが庇護申請しており、今回の統計の整合性を示している。欧州はUASC全体の81%を占める1万5,100人の要請を受けた。前年と同様に、イギリスが欧州最多の3,000件近くの申請を登録しており、ノルウェー(2,500)、スウェーデン(2,250)、ドイツ(1,300)と次いだ。2008年に比べ、1,200人減少したイギリスに対し、ノルウェー(81%)、スウェーデン(49%)と大幅に増加した。欧州以外では、マレーシア(1500)とエクアドル(500)が主要なUASCの受入国として庇護申請を受けている。

統計では2009年時点で、7,900人のUASCが難民または難民と同等の保護下にあり、2008年の6,000に比べ増加している。UASCの認定数のうち、64%が欧州である。

■国内避難民

武力紛争や継続する暴力から、あるいは人権侵害、自然災害や人災を逃れるため、住んでいる場所から強制的に追われたが、国境を越えていない人。UNHCRの支援対象者は統計上、紛争を起因とする国内避難民、あるいは国内避難民と同様の状態におかれた人を含む。

    Map4【UNHCRの保護・支援対象者数(国内避難民)】

■無国籍者                         

どの国の市民権や国籍を認められない人。UNHCRは国連総会によって無国籍者のための活動を行い、無国籍状態を防ぎ、減少させ、保護をする。UNHCRはその執行理事会から無国籍問題について、定期的に報告する義務を課せられている。1961年の「無国籍者の削減に関する条約」第11条によって保護される人からの申請を受け、当該国と当事者の問題解決にもつとめる。

 Fig12【無国籍者の統計を発表している国の数 2004年-2009年】

 

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