アンジェリーナ・ジョリー、イラクを訪問

2009年7月24日

© UNHCR/B.Heger
UNHCR親善大使アンジェリーナ・ジョリーと少年。バグダッドのチクークにて

UNHCRバグダッド(23日)発:

UNHCR親善大使アンジェリーナ・ジョリーは23日、依然としてイラク国内で避難を余儀なくされている何十万ものイラク人支援のため、3度目となるイラク訪問を果たした。

アンジェリーナ・ジョリーは、丸一日かけてバグダッドを訪問し、北西部のチクーク近郊で不安定な避難生活を強いられている国内避難民の人々に会い、アブ・グレイブ周辺やバグダッド西部から逃れてきた4家族と面会した。

困難な状況ではあるが、「改善が見られる今こそ、暮らしの再建のために多くのサポートを必要としている」今こそイラクの人々が元の生活を取り戻す機会であるとアンジェリーナ・ジョリーは述べた。

アンジェリーナ・ジョリーが面会した家族は、子どもたちが学校に通えず、医療費もまかなえないことを訴えた。43歳のアリ*は、4年前にアブ・グレイブ地域から38歳の妻と6人の子どもたちと共に逃れ、チクークにレンガ造りの家を建てた。

「唯一支援をしてくれたのはUNHCRであった。しかし暮らしは辛いものだった」彼は訴え、「この状況を生き抜くには相当の強さが必要。仮に自分が同じ状況に置かれた場合、自分にその力があるか自信がない」アンジェリーナ・ジョリーは言った。

すぐ隣の9人家族の家では、アンジェリーナ・ジョリーは、生まれたばかりの赤ん坊をひざであやしながら、家族の窮状に耳を傾けた。子どもは学校に通えず、赤ん坊は暑さのため発疹に苦しんでいた。暴力が横行し、避難を余儀なくされるまで、この一家の娘は法律を勉強していたという。

アンジェリーナ・ジョリーが元の家に戻りたいか尋ねると、「帰還した近所の家族は3人の娘たちを殺された。今帰ることなどあり得ない。何故このようなことが起きなければならないのか」法律の勉強を諦めたサルワ*は言った。

「不公平に思うのは当然」アンジェリーナ・ジョリーは言い、自身が再びイラクに戻ることを誓った。「またイラクに戻り、今より安定した暮らしを送る人々を見届けたい。UNHCRとイラク政府が、再建のために土地の確保をもたらすと願っている。貧しいから助けが必要なのではない。イラクの未来を築く重要な担い手だからこそだ」アンジェリーナ・ジョリーは強調し、サルワが弁護士になれるよう祈っていると加えた。

「このキャンプにいる人々と同様に、安全な家へ戻れる人々がいる」アンジェリーナ・ジョリーは言った。「変化が起こっている。わずかながら帰還を試みる避難民が見られ、確実に進歩している」

チクークには2万人以上の人々が暮らし、数千人の地元民を含む、そのほとんどが女性や子どもである。飲料水や下水処理システム、舗装道路すべてが不十分な状態にある。UNHCRは今年初めに清掃活動に取り組んたが、一帯には再びゴミが散乱している。

UNHCRはこの数カ月、現地に水を運び入れ、水道の復旧に取り組むとともに、シェルターの修復も手がけている。

古都サマーワのモスクが爆撃を受けて以降、2006年2月に勃発した派閥間の争いにより、イラクには約160万人の国内避難民がいるとUNHCRは推定している。2008年中ごろからは治安の回復が見られ、約30万人が帰還を果たしている。

昨年の4月以降、UNHCRは5000世帯分の緊急シェルターを修復、提供している。今年の終わりまでに約2万世帯分の修復を目指す。依然として何十万ものイラク難民が主にシリアやヨルダンといった周辺国での避難生活を余儀なくされている。

今回で3度目のイラク訪問を果たしたアンジェリーナ・ジョリーは、2007年8月にはシリアとの国境付近に位置するアル・ワイードキャンプで避難生活を送る1200人の難民を訪れ、2008年2月の訪問では国内避難民に焦点をあてるように国際社会を喚起した。

*保護の観点から名前は仮名を使用しています

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