UNHCR東京(28日)発:
アントニオ・グテーレス国連難民高等難民弁務官は、日本が第三国定住受け入れ実施の可能性について検討するための勉強会の発足を歓迎したのち、28日、東京を後にした。
2005年の高等弁務官就任後、3度目の訪日を果たしたグテーレス難民高等弁務官は、今年9月に日本の11省庁が連携する、祖国へ帰還することができず、一次庇護国に統合することも困難な難民の第三国定住プログラムについての勉強会発足に言及した。
グテーレス高等弁務官は高村外務大臣・鳩山法務大臣との個別会談のなかで、第三国定住に関する具体的な施行時期などは言及されなかったものの、特別勉強会についての報告を受けた。日本への第三国定住が実現すれば、日本はアジア初の第三国定住受け入れ国となる。
「2年前に日本へ訪れた際には、日本の難民受け入れに関してはまだ進展の可能性がある」と、共同通信に対して語ったグテーレス高等弁務官は、続けて「現在、この枠組みが改善されていることは明白であり、正しい方向へ向かっている」と述べた。
グテーレス高等弁務官は、過去2年間の日本政府の改善として、難民申請期限の撤廃、異議申立制度の構築、さらには審査時の透明性の改善がみられることを繰り返し挙げた。日本は現在でも難民認定の要件が厳しいとされている。
滝沢三郎UNHCR駐日代表は、26日からの高等弁務官の訪日は、UNHCRと重要な支援国のひとつである日本の関係をよりいっそう強化したと述べた。
日本政府は最近、シリアとヨルダンに逃れたイラク難民の保護、支援として、400万米ドルの資金援助を発表した。さらに、同時期スーダンのダルフールにおける国内避難民への緊急物資支援も発表している。同物資支援に関しては内閣府国際平和協力本部を迎えて国連ビル前にて感謝式典も行われた。
訪日の際、グテーレス高等弁務官は元高等弁務官で現JICA理事長の緒方貞子氏や市民社会のパートナーたちとも会談した。また、グテーレス高等弁務官訪日記念シンポジウムの基調講演では「人道支援と企業のCSR」〜報道を越えて、『難民。をプロデュース』〜」では貧困、気候変動および環境の悪化、そして紛争および迫害により人々が移動を強いられる時代において、国際社会の様々な関与、日本の市民社会、メディア、企業そして学生たちの難民支援で果たす役割の大きさへの期待を表明、同時にまずは現状を知ること、また「トレランス(寛容)」の精神を持つことを提唱した。またこの訪日にあわせて開催した「表参道ジャック2007」では東京のファッショナブルな表参道・青山通りを、170名の参加者と共に自身もパレード行進した。おしゃれな街を行き交う人々にも、難民問題に対する意識を高めるため意欲的に取り組んだ。
「表参道ジャック2007」はJ-FUN(日本UNHCR-NGO評議会)、UNHCRユースと周辺22の協力店舗の支援によって実現した。パレード参加者の一人、自身も元難民でモデル・デザイナーとして活躍するザニーさんは「人に気持ちを伝えるということは大変なことです。また、その人に自分の気持ちを理解してもらうということは奇跡に近いことです。しかし、始めなければ何も始まりません。こういった一歩一歩の皆の歩みが、世界を変える大きな波に変わると僕は信じています。」と期待を込めて語った。
ザニーさんを始め、多くのUNHCRサポーターの方々がそれぞれの立場で実現する「普段着を着てできる」難民支援を紹介した雑誌、UNHCRマガジン「Refugees is...」Vol.3も同日発行された。
「Refugee is...」Vol.3についてはこちら
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