先生のコーナーについて

 

生徒たちに、暴力や紛争が引き金となって、難民が自分の故郷や生まれ育った国から逃れなければならなくなった複雑な状況を理解させましょう。
対立が生じても、暴力による解決を行わず、建設的な行動を好む態度が身につけられるようにしましょう。
生徒たちが他者と共存し、基本的人権を尊重し、積極的で思いやりのある態度を取ることができる社会性を身につけさせましょう。

難民問題の授業を通じて、以下の定義を理解させられるとよいでしょう。
難民(Refugees)
人種、宗教、国籍、政治的意見、特定の社会集団への所属などにより、迫害を受ける十分な恐れがあるために、国籍国から逃げ出し、戻ることができないか、戻る意思のない者。難民は自国の保護を受けられず、しばしば家族や共同体から引き離される上、定義からも分かるように、とりわけ暴力を受けやすい立場にある。中でも難民の女性や子どもは、もっとも弱い立場にある。
国内避難民(Internally displaced persons)
難民と同様に、国内避難民も迫害や戦争、その他の恐怖のために自分の故郷から逃げ出した人々のこと。しかし難民と違って、国内避難民は国境を越えずに出身国にとどまっている。内戦にまきこまれてしまうことも多く、その数は難民よりも多い。
出身国(Country of origin)
難民が生まれ育ったが、始めに逃げ出した国のこと。
庇護(Asylum)
安全に暮らせる場所のこと。「庇護を与える」とは、自国にいると危険な目にあう人を、安全な国で保護すること。
第一次庇護(Country of first asylum)
難民が始めに迫害から逃れてやってきた国のこと。
帰還(Repatriation)
難民が自分の国(出身国)へ帰ること。UNHCRは、安全に尊厳を守られ難民が自発的に帰国することが、難民問題で最善の解決策だと考えている。
帰還民(Returnees)
かつて難民だった者で、自分の国へ帰ったことで、難民ではなくなった人々のこと。
難民援助事業の段階(Phases of refugee operations)
(1)緊急事態(Emergency)
(2)生活援護(Care and maintenance)
(3)恒久的解決(Durable solutions)

a) 帰還(repatriation)―難民の多くは強制的に自国から追いたてられており、状況が許す限り、帰還を願っている。帰還という場合、難民が、安全にかつ尊厳をもって、自発的に帰還することをさす。
  b) 現地定住(integration)―自発的帰還が可能でない場合、難民は第一次庇護国に定住する。この場合、難民は生計を立てることが許される。
  c) 第三国定住(resettlement)―難民が難民キャンプや一時的な居住地から、永続的に居住する目的で、別の国へ移動すること。第三国定住は、庇護国で十分な保護を受けられず、帰還もできない者のみを対象とする。

『先生のコーナー』の使い方

先生のコーナーでは、歴史、地理、公民、国語・文学、芸術などさまざまな分野で、難民問題を取り上げると同時に、小学校高学年用、中学生用、高校生用に分けて教材案を提示しています。それ以外にも、たとえば高校の生物の授業で生態系の相互関係を教えるときに、「難民問題が環境に与える影響とUNHCRの対応」というようにして、さまざまな取り組みを多角的に行うことができるでしょう。

授業で「子ども兵士」や「難民女性」など、デリケートで特に配慮が求められる問題を扱う場合、教師は通常以上に生徒の情緒的な成熟度を考慮する必要があります。

特に教材案のコーナーでは、難民問題の授業での進め方を示しています。ここでは生徒たちに配布する資料と一緒に、先生が難民問題を教える方法を提示していきます。ここでは教材案が示されていますが、それ以外にも色々工夫して教えることができるでしょう。

教材案では、授業計画の立脚点を提示しています。先生はこれらのアイデアをもとにさまざまな問題について言及できるでしょう。

 

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学校で「難民」について教えるための教材集が発行されました。